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ユネスコってなに?
ユネスコ(UNESCO)は、国際連合の組織の一つで、「教育」「科学」「文化」「情報通信」の分野で世界の平和や協力、発展を目指す団体です。たとえば、日本の富士山や奈良の古いお寺を「世界遺産」として守ったり、貧しい国の子どもたちが学校に行けるように支援したりしています。ユネスコは1945年に設立され、現在190以上の国がメンバーとして参加しています。日本もその一つで、ユネスコの活動にたくさんのお金やアイデアを出して協力しています。ユネスコは、みんなが仲良く、知識や文化を共有しながら、より良い世界を作るための「チーム」のような存在です。
国際連合の主な目的
- 国際平和と安全の維持
紛争を防ぎ、武力行使を避けるために調停・平和維持活動(PKO)を行います。 - 友好関係の発展
各国の主権を尊重し、民族自決や平等な関係を重視しています。 - 経済・社会的発展の促進貧困削減、教育、健康、環境など、持続可能な開発目標(SDGs:みんなが幸せに、地球を守りながら暮らしていくための17の目標)の実現を目指しています。
- SDGsの特徴
- 2030年までに世界で達成することを目指す約束
- 貧困や飢餓をなくす、教育を広める、環境を守るなど、17のゴールと169のターゲットがある。「誰一人取り残さない」という考え方が大事。
- 17の目標
- 貧困をなくす
- 飢餓をなくす
- すべての人の健康と福祉
- 質の高い教育
- 男女平等
- 安全な水とトイレ
- クリーンなエネルギー
- 働きがいと経済成長
- 産業と技術の進歩
- 不平等をなくす
- 住み続けられるまちづくり
- つくる責任・つかう責任
- 気候変動に対策
- 海を守る
- 陸を守る
- 平和と公正
- みんなで協力する
- SDGsの特徴
- 人権の尊重と推進
世界人権宣言をはじめ、人権保護の枠組み作りや活動を行います。
世界遺産(World Heritage)**とは、
「人類みんなの宝」として、ユネスコが守ることを決めた特別な場所や建物・自然のことです。
世界遺産の種類
- 文化遺産
歴史的な建物や町、遺跡(例:法隆寺、ピラミッド)。 - 自然遺産
特別な自然や景観(例:屋久島、グランドキャニオン)。 - 複合遺産
文化と自然の両方を持つ場所(例:マチュ・ピチュ)。
登録の目的
- 将来の世代にも残すために守る。
- 戦争や開発、自然災害から守るため、国際的な協力で保護する。
日本の主な世界遺産(例)
- 富士山
- 厳島神社
- 姫路城
- 白神山地
- 屋久島
ユネスコから脱退するとどうなるの?
もし、ある国がユネスコから脱退(やめる)すると、どんなことが起こるのか、わかりやすく説明します。脱退すると、メリットとデメリットの両方がありますが、デメリットの方が大きい場合も多い。
- 世界遺産の保護が難しくなる
ユネスコは、世界遺産を守るためのルールを作ったり、修復や保護にお金を出したりしています。たとえば、地震や戦争で壊れた遺跡を直すためのサポートもしています。もし脱退すると、その国はユネスコからの資金や専門家の助けを受けられなくなる可能性があります。たとえば、日本の姫路城や屋久島などの世界遺産を維持するためには、国だけでお金や技術を用意しないといけなくなる。そうすると、予算が足りなかったり、保護の方法が難しくなったりして、世界遺産の価値が下がってしまうかもしれない。 - 教育や科学の国際協力が減る
ユネスコは、貧しい国の子どもたちが学校に行けるように学校を建てたり、教科書を配ったりしています。また、科学者たちが国を越えて一緒に研究するプロジェクトも支援しています。脱退すると、こうしたプロジェクトに参加できなくなったり、情報を共有する機会が減ったりする。たとえば、日本の学生がユネスコのプログラムで海外の子どもたちと交流したり、科学者が世界の研究者と一緒に環境問題を研究したりするチャンスが減ってしまうかもしれない。これは、若い人たちの学びや未来の技術の発展にも影響する。 - 国際的な影響力が下がる
ユネスコは、世界中の国が集まって話し合う場でもあります。たとえば、どんな場所を世界遺産にするか、どんな教育プログラムを進めるかを決めるとき、メンバー国は自分の意見を言えます。脱退すると、その国の声がユネスコの活動に反映されにくくなり、世界での「発言力」が弱まってしまう。これは、国のイメージや他の国からの信頼にも影響するかもしれない。たとえば、日本が脱退したら、日本の文化や価値観を世界にアピールする機会が減ってしまう。 - お金の問題
ユネスコの活動には、メンバー国がお金を出し合っています。日本も毎年たくさんのお金を払っていて、それが世界遺産や教育の支援に使われています。脱退すれば、そのお金を払わなくて済むので、国の予算が少し楽になるかもしれない。でも、ユネスコからの支援も受けられなくなるから、長い目で見ると損することもある。たとえば、世界遺産の修復や教育プロジェクトのために、自分たちだけでお金を出す必要が出てくるかもしれない。
ユネスコ(UNESCO)の活動資金
1. 分担金(各国からの会費)
- ユネスコに加盟している国が、経済力に応じて負担するお金です。
- 日本やアメリカ、フランスなどが大口の支援国。
2. 任意拠出金(寄付や協力金)
- 各国や民間企業、団体が自主的に寄付するお金。
- 例えば、世界遺産保護や教育プロジェクトに使われます。
資金の使い道
- 世界遺産の保護
- 発展途上国の教育支援
- 科学・文化・情報分野の国際協力
- 無形文化遺産の保護 など
過去に脱退した国の例
過去には、実際にユネスコから脱退した国があります。たとえば、1984年にアメリカがユネスコを脱退しました。理由は、ユネスコの運営やお金の使い方に不満があったからだと言われています。このとき、アメリカは世界遺産や教育の分野での国際協力に参加できなくなり、影響力が一時的に弱まりました。その後、2003年にアメリカはユネスコに戻りましたが、2017年に再び脱退を発表しました(2023年に復帰)。この例から、脱退すると一時的にお金を節約できても、国際社会でのつながりや信頼が減るリスクがあることがわかる。日本が脱退したらどうなる?
日本はユネスコに多額のお金を出し、富士山や古都京都、広島の平和記念碑などの世界遺産を守ったり、アジアやアフリカの国の教育を支援したりしています。もし日本が脱退したら、まず世界遺産の保護が難しくなるかもしれない。たとえば、地震で壊れた遺跡を直す資金が足りなくなったり、国際的な専門家の助けが得られなくなったりする。また、日本の学生がユネスコのプログラムで海外と交流する機会も減るかもしれない。さらに、日本の文化や価値観を世界に伝えるチャンスが減り、国際社会での日本の存在感が薄れる可能性もある。一方で、ユネスコに払っていたお金を他のことに使えるかもしれないけど、失うもののほうが大きいかもしれない。
まとめ
ユネスコから脱退すると、お金を節約できる可能性はあるけど、世界遺産の保護や教育、科学、文化の分野での国際協力が難しくなり、国の影響力や信頼が下がるリスクがあります。ユネスコは、世界中の国が協力してより良い未来を作るための「チーム」です。チームを抜けると、ひとりで頑張らないといけないことが増えるけど、みんなで協力したほうが大きな成果をあげられることも多い。日本がユネスコにいることで、富士山や日本の文化が世界に認められ、子どもたちの学びや平和の活動にも貢献できている。脱退は簡単だけど、その影響はとても大きい。