【XJAPANのX時代】ベーシストTAIJIの魅力②ベースプレイの素晴らしさ

【XJAPANのX時代】
ベーシストTAIJIの魅力
②ベースプレイの素晴らしさ

TAIJIのベースプレイ

TAIJIの魅力というとベースプレイの素晴らしさがある。

地味で目立たないと言われていたベースというポジションを華やかでキラキラした印象に押し上げたのはTAIJIだと思う。

バンドの花形とも言われるギタリストと共にベーシストに憧れを持つ人も増えた。

一言でベースプレイと言ってもいくつかの要素がある。

TAIJIの魅力の1つ、ベースプレイをテーマに取り上げていく。


【XJAPANのX時代】
ベーシストTAIJIの魅力
②ベースプレイの素晴らしさ

TAIJIの演奏力

TAIJIの演奏力によってベースという楽器の可能性を広げたと思う。

今はテクニカルなベーシストも増えあらゆる奏法を使うベーシストも珍しくないが、Xを知るまでベーシストの存在はほとんど意識して聴いていなかったように思う。

というより楽器それぞれの音を聞き分ける耳を持っていなかった。

音楽を1つの固まりとして聴いていたからだと思う。

初めてXを音楽としてではなくバンドとして聴くようになったのは、VHSビデオで発売された「爆発寸前GIG」を観てからだった。

映像の中でメンバー全員がそれぞれ派手なメイクとファッションで身を包んでいた。

だが何故か気がつくとTAIJIの姿を目で追っていた。

理由はよくわからないが男らしさによる魅力を感じたからかもしれない。

そして、TAIJIのベースプレイが何と言ってもカッコよかった。

Easy Fight Ramblingの曲中で魅せる速弾きベースソロに心を奪われ、ビデオ終盤の20th Century Boyの曲中でベースという楽器の幅広さを知る。

当時、ロックベースの奏法というとピックを持ち弦を弾いて音を出すピック弾きと、何も持たず指先を直接弦に当てて音を出す指弾きの2種類しか知らなかった。

だがその時目に飛び込んできたのはピック弾きでも指弾きでもなく、想像すらできない初めて観る奏法だった。

それはチョッパー奏法だった。

今はスラップ奏法という呼び方が一般的だが、当時はチョッパーと呼ばれていた。

「ベースでこんな音も出せるのか」と驚いたのを覚えている。

Xの曲には高速ナンバー(曲)が多い。

Xの曲をベースで弾いてみるとわかるが、曲のテンポのスピードについて行くのが精いっぱいだ。

そんな速いスピードの中で曲のリズムを引っ張っていく役割をするベースという楽器を動き回りながら弾き続けるというのは相当の技術を必要とする。

しかもベースを肩にぶら下げるためのストラップは相当長い。

ストラップの長さというのは長ければ長いほど腕の稼働域を狭くし、演奏に影響する。

そんな状況でもリズムを狂わすことなく正確な演奏ができるのはTAIJIが高い演奏力を持っているからこそだと思う。

音楽の才能があるだけでは高い演奏力は身につかない。

音楽の才能と共に、陰で相当な時間ベースという楽器の事を考え、血のにじむような練習を重ね続ける精神力の強さによって身に付いたものだと思う。

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②ベースプレイの素晴らしさ

多様なベース奏法を一般的なものにした

TAIJIのベースプレイの幅広さに驚いたのはチョッパーだけではない。

日本武道館でみせたベースソロのコーナー。

あのベースソロにはTAIJIのベースの魅力が詰まっていると思う。

ピック弾きから始まるベースソロ。

速弾きを交えながらメロディーは続いていく。

その後曲の展開が変わり右手をありえない位置に置き演奏を始めた。

タッピング奏法だ。

タッピング奏法というのは右手の指先を直接ベースのフレットに当てて音を出す奏法の事だ。

ラウドネスのギタリスト高崎晃氏の演奏を見てマネをして身に付けたらしい。

TAIJIの演奏でタッピングを知った身なのでピアノを演奏するかのようにベースを弾くその姿は衝撃的だった。

そしてその後も驚きは止まらない。

今度は左手の指先まで使って高速両手タッピングが始まったからだ。

普通弦楽器を弾く時、左手はネックを下から握りこむような形で演奏する。

その左手をネックの上から出し、フレットを指先で叩きながら音を高速で出すなんてまるで曲芸を見ているかのようだった。

沢山のベースキッズがTAIJIのトリッキーなベースプレイを勉強し、現在でのいろいろな奏法を使うベーシストを一般的にさせた背景にはTAIJIの存在があった事も影響していると思う。