【新日本プロレス】バレットクラブ完全解説|最強ユニットの歴史とリーダーの系譜【2025年最新版】

バレットクラブの歴史:

新日本プロレスを揺さぶった混沌の革命バレットクラブ(BULLET CLUB)は、新日本プロレス(NJPW)を中心に世界のプロレスシーンに衝撃を与えたヒールユニットであり、その歴史は2013年の結成から現在に至るまで、変革、裏切り、そして支配の連続である。このユニットは、新日本の伝統的なストロングスタイルに挑戦し、リング内外で観客を魅了する存在として、プロレス界に新たなパラダイムを築いた。本記事では、バレットクラブの誕生から現代までの軌跡を、事実に基づきつつ独自の視点で詳細に紐解き、その影響力と進化を深く掘り下げる。



誕生:

プリンス・デヴィットと反逆の旗揚げ(2013年)バレットクラブの歴史は、2013年5月3日、福岡での新日本プロレス「レスリングどんたく」大会で幕を開けた。この日、プリンス・デヴィット(現フィン・ベイラー)が、バッドラック・ファレ、タマ・トンガ、カール・アンダーソンとともに新たなユニットを結成。デヴィットは、それまでジュニアヘビー級の正統派スターとして愛されていたが、突如ヒール(悪役)に転向し、反則や介入を駆使するアウトロー集団のリーダーとなった。このユニットの名「BULLET CLUB」は、メンバーが鋭く破壊的な「銃弾」のような存在であることを象徴し、WWEの伝説的ユニット「nWo」にインスパイアされつつ、外国人選手を中心とした独自のアイデンティティを打ち出した。バレットクラブの初期は、リング上での挑発的な態度と「Too Sweet」のハンドサインで観客を煽り、従来の新日本の秩序を乱す存在として注目を集めた。デヴィットはIWGPジュニアヘビー級王座を保持し、ファレやトンガ、アンダーソンはタッグ戦線で活躍。2013年の「G1クライマックス」や「ワールドタッグリーグ」では、バレットクラブのメンバーが主要なストーリーラインを牽引し、瞬く間に団体の中心に躍り出た。特に2014年1月の「レッスルキングダム8」では、デヴィットがジュニアヘビー級王座戦で高橋ヒロムを破り、ユニットの勢いを証明した。バレットクラブは、新日本の伝統に反抗する「外敵」として、ファンに新たな興奮を提供した。


AJスタイルズの支配と国際的飛躍(2014年~2016年)

2014年4月、プリンス・デヴィットがWWEへの移籍を決断し新日本を去ると、バレットクラブは新たなリーダーとしてAJスタイルズを迎えた。TNAでスター選手として名を馳せたスタイルズは、加入直後の「レスリングどんたく2014」でオカダ・カズチカを破り、IWGPヘビー級王座を奪取。この勝利は、バレットクラブがジュニアヘビー級だけでなくヘビー級戦線でも支配的な存在であることを示した。スタイルズのリーダーシップのもと、ユニットにはヤングバックス(マット&ニック・ジャクソン)やケニー・オメガといった新メンバーが加入。彼らのアクロバティックな試合スタイルとカリスマ性は、バレットクラブを国際的な現象へと押し上げた。この時期、バレットクラブは新日本の枠を超え、ROH(リング・オブ・オナー)やPWGといった海外団体との交流を深めた。ヤングバックスはROHでタッグ王座を獲得し、スタイルズは新日本のリングでオカダや棚橋弘至といったトップスターと名勝負を繰り広げた。バレットクラブのTシャツやグッズは世界中で売れ行きを伸ばし、ユニットのロゴや「Too Sweet」のジェスチャーはプロレスファンの間でポップカルチャーの一部となった。2015年の「レッスルキングダム9」では、スタイルズが中邑真輔とのIWGPインターコンチネンタル王座戦で激闘を展開し、ユニットの存在感をさらに高めた。



ケニー・オメガとThe Eliteの黄金時代(2016年~2018年)

2016年、AJスタイルズがWWEに移籍すると、バレットクラブのリーダーシップはケニー・オメガに引き継がれた。カナダ出身のオメガは、その革新的な試合スタイルとカリスマ性で、ユニットを新たな高みに導いた。オメガは2016年の「G1クライマックス」で優勝し、外国人選手として初の快挙を達成。2017年1月の「レッスルキングダム11」では、オカダ・カズチカとのIWGPヘビー級王座戦で46分にわたる歴史的な名勝負を展開し、プロレス専門誌『レスリング・オブザーバー・ニュースレター』で6つ星の評価を受けた。この試合は、現代プロレスの金字塔として語り継がれている。オメガのリーダーシップのもと、バレットクラブは「The Elite」というサブユニットを形成。ヤングバックス、ハングマン・ペイジ、コディ・ローデスらが参加し、YouTubeシリーズ「Being The Elite」を通じてユニットのストーリーをファンに直接届けた。このシリーズは、バレットクラブのバックステージのドラマやユーモアを伝え、ユニットの人気をグローバルに拡大。2018年には、オメガがオカダを破りIWGPヘビー級王座を獲得し、バレットクラブの頂点に君臨した。しかし、The Eliteの成功は内部の軋轢を生んだ。タマ・トンガやバッドラック・ファレを中心とする「BULLET CLUB OG(オリジナル)」は、オメガらのエンターテインメント重視の方向性に反発。2018年の「G1スペシャル in サンフランシスコ」での内紛劇をきっかけに、The Eliteはバレットクラブから離脱。2019年、オメガ、ヤングバックス、ペイジらは新団体AEW(オール・エリート・レスリング)を設立し、バレットクラブの歴史に新たな転換点をもたらした。


ジェイ・ホワイトと混沌の再構築(2018年~2023年)

The Eliteの離脱後、バレットクラブのリーダーシップはジェイ・ホワイトに移った。ニュージーランド出身のホワイトは、狡猾なヒールキャラクター「スイッチブレード」として急成長。2018年の「キング・オブ・プロレスリング」で棚橋弘至を破り、IWGPヘビー級王座を獲得し、リーダーとしての地位を確立した。ホワイトの時代、バレットクラブにはKENTA、石森太二、チェーズ・オーエンズらが加入。特にKENTAの加入は衝撃的で、2019年の「G1クライマックス」での柴田勝頼への裏切りはファンを驚かせた。


HOUSE OF TORTUREという新たな派閥を形成。

EVILを中心とするこのグループは、反則や介入を多用するスタイルで物議を醸した。2020年の「レッスルキングダム14」では、EVILが内藤哲也を裏切りバレットクラブに加入し、IWGPヘビー&インターコンチネンタル王座を奪取。HOUSE OF TORTUREの過激な戦術は、新日本のストーリーラインに新たな緊張感をもたらしたが、一部のファンからは批判も受けた。ホワイトのリーダーシップは、バレットクラブの混沌を象徴していた。2022年の「レッスルキングダム16」では、ホワイトがオカダや棚橋と激突し、ユニットの存在感を維持。しかし、2023年2月、ホワイトは新日本を離れAEWに移籍。エル・ファンタズモの離脱や内部の対立もあり、バレットクラブは再び転換期を迎えた。


デビッド・フィンレーとWAR DOGSの新時代(2023年~現在)

2023年3月、デビッド・フィンレーがバレットクラブの5代目リーダーに就任。フィンレーは、外国人選手を中心とした「WAR DOGS」を率い、ユニットを再編した。WAR DOGSにはゲイブ・キッド、クラーク・コナーズ、ドリラ・モロニーらが名を連ね、攻撃的なスタイルで新日本のリングを席巻。2023年の「G1クライマックス」では、フィンレーがIWGPグローバルヘビー級王座を獲得し、ユニットの勢いを証明した。2024年11月の大阪大会では、元Just 5 GuysのSANADAがバレットクラブに電撃加入。この動きは、新日本の勢力図を大きく変える出来事となった。さらに、2025年5月の「ドッグパウンドケージマッチ」では、WAR DOGSがHOUSE OF TORTUREを破り、後者をバレットクラブから追放。現在、バレットクラブはフィンレーを中心に、石森太二、外道、ジェイク・リーといった日本人選手も含む多国籍なユニットとして活動を続けている。


バレットクラブの文化的影響と遺産バレットクラブは、プロレス界に革命をもたらした。その挑発的なスタイルとグローバルな人気は、新日本の国際化を加速させ、AEWやROHといった海外団体との架け橋となった。バレットクラブのグッズは世界中で売れ、「Too Sweet」のハンドサインはプロレスファンの共通言語となった。リング外では、ソーシャルメディアや「Being The Elite」を通じて、ユニットのストーリーがファンに直接届けられ、プロレスのエンターテインメント性を再定義した。バレットクラブの歴史は、裏切りと分裂の連続でもある。デヴィット、スタイルズ、オメガ、ホワイト、フィンレーと、リーダーシップの変遷はユニットの進化を象徴する。しかし、その混沌こそがバレットクラブの魅力であり、新日本のリングで常に話題を提供し続けた。2025年現在、バレットクラブはWAR DOGSを中心に新たな章を刻んでおり、その影響力は今後も衰えることなくプロレス界を牽引するだろう。