【XJAPANのX時代】ベーシストTAIJIの魅力⑧新しいものを生み出す力

TAIJIの魅力
⑧新しいものを生み出す力

破壊から始まる創造

Ⅹはメジャーシーンを変えるをコンセプトにしていた。

既存のものをただなぞるだけでは何も変わらない。

今までに見た事が無いような新しいものを生み出していく。

Xはいい意味でいろいろなものを破壊し(いい意味だけに関わらないかもしれないが)バンドに対して持っていた概念をガラッと変えてくれた。

その中でTAIJIは音楽の中でも新しい要素を取り入れて生み出す力があったように思う。

TAIJIはどんな新しいものを生み出してきただろうか。





TAIJIの魅力
⑧新しいものを生み出す力

メタルにチョッパー

ファンクの代名詞とも言えるチョッパー(スラップ)をメタル要素が強かったXの音楽性に取り入れたのは新しいものだった。

今ではメタルの中でチョッパーを聴くのは大して珍しい事でもないが、当時の音楽シーンでは斬新な取り組みだったと思う。

インディーズ時代のアルバム「ヴァニシング ヴィジョン」の中に

GIVE  ME THE PLEASUREという曲がある。

この曲を初めて聴いた時は衝撃だった。

どうやって弾いたらこんな音が出るのだろうと不思議に思った記憶がある。

この曲は最初から最後までチョッパーで演奏されている。

イントロはチョッパーから始まりメタル要素を感じられるギターのバッキングが入ってきて曲が展開していく。

ファンキーなイメージを持っていたチョッパーが違和感なくメタルとマッチしている。

というよりTAIJIのセンスによってマッチさせているというほうがいいのかもしれない。

TAIJIのセンスによってチョッパーを取り入れたXの曲は他にもある。

ライブのセッションで演奏されていた20th Century BoyやSADISTIC DESIRE、インストナンバーのXclamationなどでも聴く事が出来る。

もしかしたらTAIJIより以前にチョッパーを取り入れたメタルベーシストは他にもいたのかもしれないが、Xが日本において社会的にも注目を浴びるほどの人気バンドとしての発信力を持っていたことから、メタル曲にチョッパーを取り入れるという斬新な発想を世に広めたという面ではTAIJIがパイオニア的存在だと思う。

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⑧新しいものを生み出す力

Xにアコースティック

メジャーデビューアルバムBLUEBLOODが発売されⅩの人気はさらに物凄いものになった。

BLUEBLOODは素晴らしいアルバムだがYOSHIKI色が強い印象を受ける。

ⅩというバンドはYOSHIKIの未知の可能性に賭けたメンバーが集まったバンドなのだからそれは当然の事かもしれないが、メンバーそれぞれも高い音楽性を持っている。

TAIJIはXの音楽にメンバーの高い音楽性をもっと出すべきだと主張していたらしい。

その後リリースされたセカンドアルバムJealousy

このアルバムはメンバーそれぞれの個性を強く感じられる作品だと思う。

特にXの音楽性では新しかったアコースティックの曲が入っている事に驚いた。

PATA’NAPとボイスレススクリーミング。

世の中にアコースティック曲は沢山存在しているが、それをXがやるのは新しい取り組みだった。

派手で攻撃性が高かったXの音楽にアコースティックの要素が加わったことでギャップが生まれXの音楽性イメージの幅をさらに広げるものになったと思う。


TAIJIの魅力
⑧新しいものを生み出す力

曲のアレンジ

エックスの代表曲「紅」。

この曲はボツにされかけていた。

インディーズ時代から演奏されていて当時の紅は歌謡曲だったと語られている。

その曲を蘇らせたきっかけはHIDEが気に入っていたかららしい。

そしてHIDEとTAIJIがアレンジを加えた事で紅はXの代表曲として蘇った。

どの部分のアレンジを誰が担当したかは分からないが、最初のアルペジオ部分にTAIJIのアコースティック要素を感じてしまう。

サビ前にギターソロがあるというのも斬新だった。

曲のアレンジにおいても新しいものを生み出す力をHIDEと共に発揮していたのだ。