AEWのロースターは、国際的なスター、元WWE選手、そして独自に育て上げた才能が織り交ざり、派閥が物語の中心を担っています。以下は、2024年から2025年7月にかけて注目された主要なユニットとそのメンバーです。
- ジ・エリート(The Elite)
- メンバー: オカダ・カズチカ、マシュー・ジャクソン、ニコラス・ジャクソン(ヤング・バックス)、ジャック・ペリー
- 概要: AEWの運営に深く根ざしたジ・エリートは、ヒールとしての支配力を強化。2024年3月、新日本プロレスからオカダ・カズチカが電撃加入し、派閥の勢力を拡大。オカダのヒールターンとジャック・ペリーの復帰により、ジ・エリートはAEWの権力闘争の中心に君臨しました。
- 主要メンバー:
- オカダ・カズチカ: 「レインメーカー」の異名で知られるオカダは、2024年3月の「Dynamite: Big Business」でAEWデビュー。エディ・キングストンとの対戦でヒールとしての存在感を示し、2025年の「All In Texas」でAEW統一王座を獲得し、団体初の統一王者として歴史を刻みました。
- ヤング・バックス: AEWの副社長として、リング内外で影響力を発揮。オカダとの連携でタッグ戦線を強化し、ヒール派閥のリーダーとして活躍。
- ジャック・ペリー: 2023年のCMパンクとのバックステージ騒動後の謹慎を経て、2024年に復帰。「スケープゴート」を自称し、ジ・エリートの一員としてヒールキャラを確立。
- ブラックプール・コンバット・クラブ(Blackpool Combat Club, BCC)
- メンバー: ジョン・モクスリー、ブライアン・ダニエルソン、クラウディオ・カスタニョーリ、ウィーラー・ユータ、マリーナ・シャフィール
- 概要: 技術的なレスリングとハードコアな闘争心を融合させた派閥。2024年はジ・エリートや他のユニットとの抗争で、AEWの試合の質を牽引。ブライアン・ダニエルソンは引退の噂を払拭し、ファンに感動を与えました。
- 主要メンバー:
- ジョン・モクスリー: 元AEW世界王者として、BCCの精神的な支柱。2024年は若手との試合を通じて、次世代の育成にも貢献。
- ブライアン・ダニエルソン: 2024年の「All In London」で圧巻のパフォーマンスを見せ、引退の噂を一蹴。テクニカルな試合でAEWの顔としての地位を維持。
- 2025年の動向: 2025年に入り、ダニエルソンはフルタイム参戦を減らしつつ、BCCの若手育成に注力。ウィーラー・ユータとのタッグマッチや、ジョン・モクスリーとの複雑な関係性がストーリーの中心に。2025年7月の「Dynamite」では、新たな若手レスラーとの試合が予定され、彼のレガシーを次世代に引き継ぐ姿勢が見られます。
- ドン・カリス・ファミリー(The Don Callis Family)
- メンバー: 竹下幸之介、ウィル・オスプレイ、カイル・フレッチャー、パワーハウス・ホッブス
- 概要: 狡猾なマネージャー、ドン・カリスの指導の下、若手スターを擁するヒール派閥。竹下とオスプレイのダイナミックな試合が注目を集め、2024年はインターナショナル王座戦線で存在感を発揮。
- 主要メンバー:
- 竹下幸之介: DDTとの二重契約を維持し、2024年の「Revolution」でケニー・オメガに挑むも敗北。2025年もトップ戦線で活躍を続ける。
- ウィル・オスプレイ: 新日本プロレスから完全移籍後、華麗な空中戦とマイクパフォーマンスでファン人気を獲得。ヒールながらも観客を魅了。
- ザ・ハート・シンジケート(The Hurt Syndicate)
- メンバー: ボビー・ラシュリー、シェルトン・ベンジャミン、MVP
- 概要: 2024年後半に登場したパワーハウス派閥。元WWEスターのラシュリーとベンジャミンが、MVPの戦略的なリーダーシップの下、AEW世界タッグ王座を2025年の「Dynamite」で獲得し、勢力を拡大。
- バン・バン・ギャング(Bang Bang Gang)
- メンバー: ジェイ・ホワイト、オースティン・ガン、コルトン・ガン、ジュース・ロビンソン
- 概要: 元新日本プロレスのバレットクラブのリーダーとして知られるジェイ・ホワイトは、AEWで「バン・バン・ギャング」を率いるヒールとして活躍。2024年、彼のカリスマ性と戦略的な試合運びは、トリオ戦線を中心に存在感を発揮しました。「スイッチブレード」の異名を持つホワイトは、マイクパフォーマンスと狡猾なリングワークで観客を魅了し、ユニットのリーダーとしてAEWのストーリーを牽引しています。
主要な動向:
- 2024年のトリオ王座戦線: バン・バン・ギャングは、2024年の「Revolution」でデス・トライアングル(パック、レイ・フェニックス、ペンタ・エル・セロ・ミエド)と激しい抗争を展開。ホワイトのリーダーシップの下、トリオ王座を一時奪取し、ユニットの地位を固めました。しかし、2024年後半にペンタの退団によりデス・トライアングルが弱体化すると、新たなライバルとしてザ・ハート・シンジケート(ボビー・ラシュリー、シェルトン・ベンジャミン、MVP)との対立が勃発。
- シングル戦線での活躍: 2024年の「Forbidden Door」では、新日本プロレスとのクロスオーバーイベントでオカダ・カズチカと対戦。過去のバレットクラブでの因縁を活かし、緊張感あふれる試合を展開しましたが、敗北。この試合はホワイトのAEWでの地位を再確認する機会となりました。
- 2025年の展開: 2025年2月の「GrandSlam Australia」では、ホワイトがAEWインターナショナル王座に挑戦するも、ウィル・オスプレイに敗れる。バン・バン・ギャングはトリオ戦線で再び勢いを増し、2025年7月の「Dynamite」で新たな挑戦者として注目を集めています。
ストーリーの特徴: ホワイトのストーリーは、彼の狡猾なヒールキャラクターとバン・バン・ギャングの結束力を中心に展開。ジュース・ロビンソンとの長年のパートナーシップや、ガン兄弟の若々しいエネルギーが、ユニットの魅力を高めています。ホワイトのマイクパフォーマンスは、相手を挑発しながらファンを引き込む独特のスタイルで、AEWのヒール派閥の核となっています。
【新日本プロレス】AEWと新日本プロレスの現在地|誕生秘話から日本進出・注目レスラーまで | hiro bro.
主要ストーリーライン(2024年~2025年7月)
- オカダ・カズチカの台頭と統一王座獲得
2024年3月、オカダ・カズチカがAEWに加入し、ジ・エリートの一員としてヒールキャラを確立。トニー・カーン社長の意向でヒールとしてデビューし、エディ・キングストンを初戦で破る鮮烈なスタートを切りました。2025年の「All In Texas」では、スワーブ・ストリックランドとの抗争を経てAEW統一王座を獲得。オカダの挑発的なマイクパフォーマンスと圧倒的なリングパフォーマンスは、AEWの新たな時代を象徴しました。 - CMパンクの退団とその影響
2023年8月の「All In London」で、CMパンクがジャック・ペリーとのバックステージでの衝突をきっかけに解雇。この事件は2024年のストーリーに大きな影響を与え、ペリーの復帰とヒールターンに繋がりました。パンクの予定されていたリッキー・スタークス戦はキャンセルされ、ブライアン・ダニエルソンが代役としてスタークスと対戦。ダニエルソンの試合は高評価を受け、AEWの危機対応力を示しました。 - 女子部門の進化とメルセデス・モネの影響
2024年3月の「Dynamite: Big Business」で、メルセデス・モネがAEWに参戦。彼女の加入は女子部門に新たなスターをもたらし、トニ・ストームやウィロー・ナイチンゲールとの対戦が話題に。2025年6月には、モネとザ・ビースト・モルトスのストーリーがエンターテインメント性を高め、女子部門の注目度をさらに向上させました。 - 新日本プロレスとの連携強化
AEWと新日本プロレスの提携は、2024年の「Forbidden Door」でさらなる進化を見せました。竹下幸之介はケニー・オメガとの試合で高い評価を受け、2025年2月の「GrandSlam Australia」ではオカダ・カズチカが王座防衛を果たす一方、竹下も重要な役割を担いました。この提携は、両団体のスター選手の交流を深め、グローバルなプロレスファンを魅了。 - ロースターの変動と新たなスターの台頭
2024年12月、ペンタ・エル・セロ・ミエドが契約満了で退団。2025年2月には、ミロ、リッキー・スタークス、マラカイ・ブラックが解雇または契約満了でAEWを離れ、ロースターに大きな変動が。こうした変化の中、ダービー・アリンやMJFといった若手が新たなスターとして浮上し、AEWの未来を担っています。
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AEW主要選手と所属ユニット一覧
1. ジ・エリート(The Elite)
- 概要: AEWの運営に深く関与するヒール派閥。権力と実力を背景に、ストーリーの中心を担う。
- メンバー:
- オカダ・カズチカ(Kazuchika Okada):2024年3月加入。「レインメーカー」としてAEW統一王座を2025年「All In Texas」で獲得。
- マシュー・ジャクソン(Matthew Jackson):ヤング・バックス。副社長としてリング内外で影響力。
- ニコラス・ジャクソン(Nicholas Jackson):ヤング・バックス。タッグ戦線で活躍。
- ジャック・ペリー(Jack Perry):2024年復帰後、「スケープゴート」としてヒールキャラを確立。
2. ブラックプール・コンバット・クラブ(Blackpool Combat Club, BCC)
- 概要: 技術とハードコアなスタイルを重視。プロレスの純粋さと闘争心を体現。
- メンバー:
- ジョン・モクスリー(Jon Moxley):元AEW世界王者。BCCのリーダーとして若手育成にも注力。
- ブライアン・ダニエルソン(Bryan Danielson):テクニカルな試合でAEWの顔。2024年「All In London」で引退を賭けた試合。
- クラウディオ・カスタニョーリ(Claudio Castagnoli):タッグとシングル戦線で活躍。
- ウィーラー・ユータ(Wheeler Yuta):若手成長株。BCCの精神を継承。
- マリーナ・シャフィール(Marina Shafir):女子部門でサポート役として活動。
3. ドン・カリス・ファミリー(The Don Callis Family)
- 概要: ドン・カリスの狡猾なマネジメントの下、若手ヒールを結集。インターナショナル王座戦線で存在感。
- メンバー:
- 竹下幸之介(Konosuke Takeshita):DDTとの二重契約。2024年「Revolution」でケニー・オメガと対戦。
- ウィル・オスプレイ(Will Ospreay):2024年完全移籍。高飛車なプロモと空中戦で人気。
- カイル・フレッチャー(Kyle Fletcher):若手ヒールとして成長中。
- パワーハウス・ホッブス(Powerhouse Hobbs):パワー系レスラーとして戦線を強化。
4. バン・バン・ギャング(Bang Bang Gang)
- 概要: ジェイ・ホワイト率いるヒール派閥。トリオ戦線を中心に活躍。
- メンバー:
- ジェイ・ホワイト(Jay White):元新日本バレットクラブのリーダー。「スイッチブレード」としてトリオ王座獲得。
- オースティン・ガン(Austin Gunn):ガン兄弟の軽快なスタイルでユニットを支える。
- コルトン・ガン(Colton Gunn):タッグ戦でホワイトを補佐。
- ジュース・ロビンソン(Juice Robinson):ホワイトの長年のパートナー。
5. ザ・ハート・シンジケート(The Hurt Syndicate)
- 概要: 2024年後半デビュー。パワーハウス派閥としてタッグ王座戦線を席巻。
- メンバー:
- ボビー・ラシュリー(Bobby Lashley):元WWEスター。2025年「Dynamite」でタッグ王座獲得。
- シェルトン・ベンジャミン(Shelton Benjamin):ラシュリーのパートナーとして活躍。
- MVP:マネージャーとしてマイクパフォーマンスでユニットを牽引。
6. デス・トライアングル(Death Triangle)
- 概要: ルチャ・リブレのスタイルを軸にトリオ戦線で活躍。2024年後半にペンタの退団で変動。
- メンバー:
- パック(PAC):トリオのリーダー。シングル戦でも存在感。
- レイ・フェニックス(Rey Fenix):アクロバティックなルチャスタイル。
- ペンタ・エル・セロ・ミエド(Penta El Zero Miedo):2024年12月契約満了で退団。
7. 非所属または単独で活躍中の主要選手
- スワーブ・ストリックランド(Swerve Strickland): 元AEW世界王者。2025年「All In Texas」でオカダに敗れ王座失う。
- ダービー・アリン(Darby Allin): スケートパンクのキャラクターでファン支持。ジ・エリートと抗争。
- MJF: 2024年ヒール復帰。ウィル・オスプレイとの抗争で注目。
- メルセデス・モネ(Mercedes Moné): 2024年3月加入。女子部門のスターとしてトニ・ストームらと対戦。
- トニ・ストーム(Toni Storm): 女子部門の中心選手。2024年メルセデス・モネと抗争。
- ウィロー・ナイチンゲール(Willow Nightingale): ポジティブなキャラで女子部門を牽引。
- ケニー・オメガ(Kenny Omega): 2024年「Revolution」で竹下に勝利。怪我から復帰しシングル戦線で活躍。
補足:ロースターの変動
- 退団選手:
- ペンタ・エル・セロ・ミエド:2024年12月、契約満了で退団。
- ミロ(Miro)、リッキー・スタークス(Ricky Starks)、マラカイ・ブラック(Malakai Black):2025年2月、解雇または契約満了で退団。
- 新加入:
- メルセデス・モネ:2024年3月「Dynamite: Big Business」でデビュー。
- ボビー・ラシュリー、シェルトン・ベンジャミン:2024年後半、ザ・ハート・シンジケートとして加入。
まとめ
2024年から2025年7月にかけて、AEWはオカダ・カズチカの加入やメルセデス・モネのデビュー、CMパンクの解雇による波紋など、劇的な展開でプロレス界を牽引しました。ジ・エリートやBCC、ドン・カリス・ファミリーといった派閥が物語を推進し、女子部門の強化や新日本プロレスとの提携が新たな魅力を生み出しました。選手の退団や新ユニットの登場により、AEWは常に進化を続け、ファンに刺激的なプロレス体験を提供しています。