【XJAPANのX時代】ベーシストTAIJIの魅力④グルーヴという言葉

【XJAPANのX時代】
ベーシストTAIJIの魅力
④グルーヴという言葉

グルーヴという言葉

TAIJIを知るまでグル―ヴという言葉の存在を知らなかった。

Xのインタビュー雑誌で音楽の話題に答えている時によくTAIJIのコメントから良く出てきたグルーヴという言葉。

その言葉はどれだけ説明を受けても理解できるものではないと思う。

感覚的なものだからだ。

音楽にはテンポというものがある。

1分間に4分音符がいくつ入っているかで曲のスピードを決めている。

いかにそのテンポに対して数学的に正確に音を当てはめる事ができるかで演奏の技術の高さを測る事が出来るが、ただテンポに対して正確に演奏するだけでは機械的な音楽になってしまう。

そこで出てくるのがグルーヴ。

本来、楽器の演奏は機械がするものではなく人間が祈りを捧げる為に音を出した事から始まった。

人には個性というものがあり誰1人として同じ人間はいない。

楽器を演奏する人、いや、生きている人はそれぞれグル―ヴを持って生まれてきたと思う。

グル―ヴとは元々体の中に備わっているものだと。

人間は胸の中が鼓動して生きている。

その鼓動1つ1つから感じるリズムがグル―ヴと関係しているように思う。

その人にしか出せない演奏時の力加減、1つの音に対しての気持ちの込め方などによる音の強弱やテンポ感のズレから感じる心地よさみたいものがグル―ヴだと解釈している。

TAIJIから感じるグル―ヴはとても心地が良い。

そこから感じるものは攻撃性であったり自身からにじみ出る優しさ、音楽を楽しむ気持ち、人生の中で経験した悔しさだったり反骨精神など多岐にわたる。

TAIJIが持つ感情と経験によって形成されたテンポに合わせTAIJIの体から出てくるリズムがグル―ヴを生み出しているのだと思う。





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④グルーヴという言葉

アンサンブルを大事にしている

TAIJIのコメントからはバンドアンサンブルを大事にしていた事が伝わってくる。

そしてグルーヴはバンドメンバーと共鳴すると心地よさを増す。

メンバーの中の1人だけが目立ってしまってはグル―ヴを感じられないと。

他のメンバーの音を感じながら呼吸を合わせていった中から生まれる化学反応のようなものがグル―ヴの心地よさを加速させる。

バンドにおいてベースというポジションは曲全体を見渡せるポジションだとTAIJIは語る。

音のズレによってグル―ヴが生まれるといってもリズム隊がガタガタでは生まれるものも生まれない。

ここでいう音のズレというのは、曲に設定されたテンポに対して正確な音の位置に近づけていく意識をもって演奏していて、正確なテンポに合うか合わないかのギリギリの所から生じてしまうズレの事だ。

TAIJIはバンド全体の音のズレを感じる能力が鋭い印象がある。

曲中でリズムのズレを感じたメンバーの近くに行き、体を揺すったり頭を振ったりと自分の体を使ってオーケストラの指揮者のようにメンバーの呼吸を合わせようとする場面をよく見かけるからだ。

そしてグル―ヴを形成する要素は音のズレだけではない。

前に出る時は出る、引く時は引くというメリハリからもグル―ヴは感じるものだと思う。

そのバランス感覚とセンスをもったベーシストがいるバンドから聴こえてくる音楽は心地が良い。

グル―ヴというのはメンバーそれぞれから放たれる人間味とぶつかり合ったり、呼吸を合わせたりしながら生まれてくるものなのだと考える。